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映画「9人の翻訳家」を観た感想。『読書家xサスペンス好き』におすすめ!

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何を言ってもネタバレになりそう。

でも伝えたいんだ!

映画『9人の翻訳家』の面白さを!

「ダ・ヴィンチ・コード」シリーズ出版秘話に基づく本格ミステリー
ラストまで刻々と変わっていく<真相>を、
あなたは見抜けるか?
引用元:公式ページ

 

「あなたは見抜けるか?」ですって?

なんとも挑発的なキャッチフレーズじゃないですか。

 

私はサスペンスも推理物も大好きです。

だがしかし、

私の推理はいつもトンチンカン。犯人もトリックも見抜けなーい。

 

で、今回どうだったかと言うと、

当然のように騙されたーーー!

もういっそ清々しいよね。

 

そんなアンポンタンな私の頭脳を差し引いても素晴らしいストーリーだったと思います。

伏線からミスリードまでしっかり作りこまれてるし、二転三転する展開に翻弄され、あっという間の105分でした。

最後まで全貌が見えないストーリー

まずダン・ブラウン原作のベストセラー「インフェルノ」の翻訳秘話に基づいてるってだけでゾワッとする。

各国の翻訳家を地下室に隔離って普通に異常だし、本当にあったとは!

 

本作品でも、世界的ミステリー小説『デダリュス』の翻訳をするため、9人の翻訳家が洋館地下室のシェルターのような密室に完全隔離されます。

異様としか言えないその様はまさに不気味の一言。

地下室にはプール、ランニングマシーン、図書室、パーティールーム、ボーリング場などなど、快適に過ごすための施設が用意されている。

が、

  • 外出禁止
  • インターネット禁止
  • 電話禁止

と、外界から完全にシャットアウトされ、銃を持つガードマンに見張られる中で仕事(翻訳)を行います。

 

それも渡される原稿は毎日20ページだけ。

徹底したセキュリティ管理で流出を防ぐ。

 

それなのに、出版社社長のもとへ

冒頭10ページをネットに公開した。24時間以内に500万ユーロを支払わなければ、次の100ページも公開する。

といった脅迫状が届きます。

 

なぜ?

この完璧なセキュリティをかいくぐってどうやって小説を流出させたの?

 

私
あぁ、密室にある小説が流出したトリックを見抜く映画なのね。

 

なんて思いながら観てました。

でも違う。

この映画で起きている事件の全貌はそこじゃないんです。

 

極秘翻訳をさせてる社長をあざ笑うかのように小説の流出は止まらない。

たまらず社長は

社長
社長
この中に犯人がいることはわかってるんだ。名乗らないのならこっちにも考えがある。

 

と言い、食料を絶ち暖房を切り、ついには電気まで切ります。

地下室に明かりが一切なくなった。

弱々しいロウソクの明かりだけで過ごす9人。

 

普通に気が狂いますよね。

9人の翻訳家たちは疑心暗鬼に。

アイツが怪しいだの、コイツがやっただのと罵り合います。

私
ここから殺人事件が起きるのかな?それともバトルロワイアルが始まるの?

 

ここまで来ると「そろそろ誰かが殺されるぅ」とハラハラが止まらない。みんな落ち着け~。落ち着け~。

でも違う。

これまた殺人事件を暴く映画ではないんです。

 

しかも、物語の中盤早々に犯人が判明します。

後半じゃなくて中盤ですよ?早いですよね。

じゃあ後半は何を観るのさってなるじゃないですか。

 

トリックじゃない!

連続殺人でもない!

犯人当てでもない!

 

え?なんなの?

いったい何を見抜く映画なの?

着眼点をどこに置けばいいの?

 

これぞザ・ドハマリ!

犯人がわかっても

  • 謎が
  • トリックが
  • 真意が
  • 全貌が

見えない映画なんです。

細部まで計算された手口、犯行の真の目的と胸を打たれるその理由─あなたには、ひとつでも解くことができるか? 誰もが結末を〈誤訳〉していたことに気づき、もう一度ふりだしに戻りたくなるリピート型傑作ミステリーが誕生した。
(引用元:公式ページ

 

くっそー。

まんまととんちんかん誤訳したし、エンドロールが流れた瞬間にリピートしたくなったよ。

ミステリーだけじゃない!読書家ならではの文学的表現が盛りだくさん

仕事は翻訳だけど、小説が大好き!なんなら作家になりたい!って人もいるし、とにかく『デダリュス』の大ファンって人もいます。

みんな読書家なんですね。

 

要所要所で小説の文章が引用され、読書家ならではの台詞回しが場を引き立てます

 

この小説のこの文章っといった具合に、1小節がセリフに盛り込まれている。

その引用文が美しくてねぇ、フランス語ができたらもっと楽しめるんだろうなぁと思いました。

 

私が覚えてる引用文は

ページを開けば世界が広がる

読書家らしい引用じゃないですか。

にわかの私でも読書の素晴らしさはこの一言に尽きるなぁと思ってますから。

 

他にも難しいけど美しい文学的表現があって、映画ではなくゆっくり小説で読みたいと思いました。

映画の原作はなさそうなんですよね。

実に残念です。

映画の世界観を底上げする音楽

地下室の異様な空間では、静かな恐怖を感じさせるメロディーで

気付かれてはいけないトリックの仕掛けでは、危機迫るスピード感で

 

映画の世界観を崩すことなく、

いや、

さらに押し上げるように、こちらの感情を揺さぶってくる音楽でした。

 

なんと音楽の全面担当したのは日本人らしいです。

世界的音楽家の三宅純さん。

申し訳ないことに存じ上げないのですが、鑑賞後に「音楽やばかったよねー。煽る煽る。」と会話した私としては、担当が日本人ですごく嬉しかったです。

あなたは見抜けますか?

フランス映画ってスローテンポで抑揚がなく淡々と進むイメージだったけど、『9人の翻訳家』は

  • 頭脳戦あり
  • スピード感溢れるシーンもあり
  • 人間心理を突いて操るシーンもあり

で、静かな迫力って感じでした。

 

  • 謎が解明されては謎が現れる。
  • 犯人はわかってるのに犯罪がわからない。

 

最後まで全貌がわからなかったよ。

いやー、実に面白い映画でした。

 

そう言えば、だいぶ昔に『ユージュアル・サスペクツ』って映画があったんだけどね、キャッチコピーが

「見破りますか?騙されますか?」

だったのよ。

当時も騙されたなぁ(笑)

amazonプライムビデオでやってる~。懐かしい~。

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おまけ:JAPANクオリティーは健在だった

とある機器がトリックに使われるのだけどね、それが日本製なんですよ。

犯人が

「日本製は素晴らしい」

と褒めたたえてた。

 

らしいっちゃらしいんだけど、「ここで日本きたかー」って感じ(笑)

その分野ではまだまだ日本がイケてるってことよね。

フランス映画がJAPANクオリティーを証明してくれたでー。