ハッキリ言います。
『殺戮にいたる病』は、人におすすめできないくらい猟奇的な小説です。
これはヤバイ。
マジでヤバイ。
タイトルからして既に怖いんですけど、「殺戮」とか「病」とかすでに怖そうじゃないですか。内容もびっくりするくらいヤバかったです。
もう尋常じゃない。
想像以上のグロテクスさと、想像以上の狂気さが描かれている小説でした。
今まで色んな作品を観てきましたけど、ここまでヤバイ犯人はいたかなってくらい猟奇的なんですよ。
だから、人にはオススメできません。
とてもじゃないけど、万人にすすめられる小説ではなかったです。
特に、女性におすすめできませんね。
なぜかというと、被害者はみんな女性で、これでもかと言うくらい犯人にひどい目にあわされるんです。
性的な描写もありますし。
読んでて目を背けたくなるくらいです。
老眼じゃないのに腕を伸ばしてしまうみたいな。
私はちょっと老眼入ってますけど(苦笑)
とにかく精神的にも描写的にも非常に厳しいものがありました。
なんだけど、
なぜか最後まで読んでしまうというね。
白状します。
再読しました。(謎行動)
私はね、読み終わってすぐにもう一度読み直しました。
「人にはすすめないけど、再読するってどういうこと」って感じですよね(笑)
とにかく、おすすめしないけど紹介するね(強行突破)
この小説、開いた最初のページで犯人が捕まります。
犯人が捕まったところから始まる小説なんですね。
始まるというか、初めにエピローグが書かれてる小説なんです。
ちょっと変わってますよね。
で、逮捕に至るまでに何があったのかが描かれているんですけど、語り手が3人います。
- 犯人の蒲生稔
- 蒲生家の母、雅子
- 元警察官の樋口
この三人の視点で語りながら、物語が進でいきます。
当然、元警察官の樋口は犯人を見つけるっていう視点で語ってます。
情報収集したり分析したり、犯人を見つけてやるって視点で語られてます。
雅子は、自分の息子がもしかたら犯人かもしれない、と疑心暗鬼になってる。
世間を騒がせてるあの事件の犯人は息子かも・・・という視点で語ってます。
で、ヤバいのが犯人の蒲生稔の視点です。
犯行に至るまでの心境や犯行時の描写などなど、細かく書いてあるんですね。
それがまた怖いしグロイし気持ち悪いし、一切共感できるところがない。
被害者が女性だから、それもあって精神的にも描写的にも非常に辛かったです。
結末まで読み進めるのが本当にしんどいかった。
しんどかったのに、
最後の最後はそれを上回るビックリする展開が待ってたんです。
もう混乱しまくり!
今まで読んできてすでに辛かったのに、最後にそれを上回る衝撃がやってくるんですよ。
これでどんだけヤバイ作品か伝わりました?
そしてね、その衝撃を受けると、
もう一度読みたくなるんです。
不思議でしょ?
すべてが明らかになったら、もう一度読みたくなるんですよ。
最初読んでた時は、ちょっとだけですよ、気付かない程度の小さな違和感がちょいちょいあるんですけど、小さいから見過ごして読み進めてくのね。
それがね、すべて明らかになって再読するとガチッと!
こうパズルのピースがガチッとハマるんですよ。
あの違和感は気のせいなんかじゃなかったんだって。
これはこういうことで、そこはこうなってたのかーってなるんです。
何度読んでもグロイとこは気持ち悪いんだけれども、
再読はどこか気持ちいい、
そんな感覚が味わえる作品でした。
万人にはおすすめできない、
けれども、
グロテスクさに耐久性があってミステリーが好き
そんな人にはおすすめの一冊になってますので、良かったら読んでみてください。