「なんか違う」
「このままでいいのだろうか」
そう思ったことはありませんか?
サラリーマンなら誰しも一度は転職を考えたことがあると思います。
転職が頭をよぎる理由は人それぞれですが、ネガティブな理由が圧倒的に多い。
- 現状に満足できない
- やりたい仕事じゃなかった
- 働きに見合った給料がもらえない
- よくわからない人が出世する
- 自分より高い給料の人が寝てる
- 今の会社では自分が成長する気がしない(今後もチャンスがなさそう)
- 10年後も会社が存続していると思えない
- 会社の文化が合わない
- とにかく辛い、楽しくない
でもこれ、例えば1億円の貯金があってもストレスになるでしょうか?
「いつでも辞めれる」選択肢があったら、ストレスにならないと思いませんか?
1億円の貯金は極端な例ですが、いつでも辞めれる(転職できる)カードを持っていれば、同じ状況だとしても今ほど思いつめないと思います。
では、なぜほとんどの人が転職に踏み切れないのか。
それは転職に恐怖を感じるからです。
今回ご紹介する「このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む『転職の思考法』」では
転職が怖いと感じるのは『初めての意思決定』だからだ
と綴っています。
多くの人は普段、じつは何も意思決定していないで生きている。君は自分で大学を選び、就職先も自分で選んできたと思っているかもしれない。
しかし、それは、ただ単に、これまでのレールの上を歩いてきただけで、自分で何も決めてない。
電車に乗り、目的地に進んでいく。大学であれば世の中からいいといわれる大学を目指し、就職先も、世間的にいい会社を選んできただけ。
だがな、意味のある意思決定というのは必ず、何かを捨てることを伴う。これまでの人生で、そんな決断をしたことがあるか?
本書は決して転職を促す内容ではありません。
スキルの高い人だけでなく、いつでも誰でも転職できる状態を作りたいという筆者の思いから書かれている応援メッセージです。
どうして転職したいのに行動に移せないのか?不安と恐怖の正体とは!
苦労して苦労して手に入れたものほど手放したくないものです。
今この手の中にあるものがなくなってしまうことに恐怖を感じるのは当然のこと。
転職するということは、今のキャリアを捨てることにもなります。
苦労してやっと入社し頑張ってキャリアを積んできたなら、なおさら捨てるのに勇気と覚悟がいるでしょう。
愛着もあるし、親に心配かけたくない。
100%成功する転職なら悩まないで済みますが、未来は見えませんから「転職して本当にいいんだろうか」と悩んでしまうのは仕方のないことです。
しかし、そもそも転職に正解などありません。
本書では転職のことを『特殊な病』と言い切っています。
冷静に考えてみて、あなたとまったく同じ顔に生まれ、同じ場所で育ち、あなたと同じ仕事をして、あなたと同じ年で結婚する人はいません。
顔も育ちも、性格も違う。だとすると「完璧なロールモデル」を世の中に探したって、どこにも見当たらないのは当然。だから不安になって当たり前なのです。
- 正解がどこにもない不安
- 何かを捨てる恐怖
で身動きが取れなくなってしまいますよね。
けれど唯一の失敗は『覚悟を決めるべきときに覚悟を決められないこと』です。
その覚悟を決めるヒントが本書には書かれています。まるで背中をポンと押してくれているかのように。
自分で答えを見つけられないから転職エージェントの力を借りる?いや、まだ早い。まずは思考法を身に付けろ!
転職に必要なのはなんだと思いますか?
スキル?情報?
本書では『どう選べばいいのかの判断基準』が必要だと書かれています。それが転職の思考法なのだと。
どんなにスキルが高くても、選ぶ会社を毎回間違えてしまうようでは、一生食べていくことはできません。
「一生食える」を確保するには4つのステップがあると言います。
- 自分の「マーケットバリュー」を測る
- 今の仕事の「寿命」を知る
- 強みが死ぬ前に、伸びる市場にピボットする
- 伸びる市場の中から、ベストな会社を見極める
この中から
①自分の「マーケットバリュー」を測る
について紹介します。
見据える視線の先は上司か?市場か?自由になりたいなら市場価値(マーケットバリュー)を意識しろ!
自分に指示を出すのも評価するのも上司だから、上司を意識してしまうのは当然です。
けれど「いつでも好きな時に転職する」カードを持ちたいなら、上司ではなく市場価値を意識して働かなければなりません。
なぜなら、上司を見て働き続けると、上司が変わった時、会社が倒産した時につぶしが効かなくなるからです。
世の中から見たあなたの価値、あなたの値段を見て働けば、会社が潰れたとしても自分の市場価値を理解しているため、どこででも働けます。
上司の顔色だけを見て働くのとはワケが違う。
では、市場価値はどうやって測るのでしょうか。
市場価値(マーケットバリュー)を測る要素とは
市場価値は「技術資産」と「人的資産」と「業界の生産性」で決まると言います。
箱を大きくするために、身に付けなければならないスキルは「専門性」「経験」「人的資産」です。
年代によって身に付けるスキルは変わってきます。
これが市場価値を意識した働き方です。
- 20代は「専門性」
- 30代は「経験」
- 40代は「人的資産」
専門性は誰でも努力次第で身に付けることができる。だから若い20代のうちはガムシャラに専門性を身に付けろと。
そして、頑張った専門性のある人にだけ「経験」を得るチャンスが舞い込んでくるというのです。
言われてみればそうですよね、なんの知識もない、会社に貢献してない人にチャンスは転がりこんでくるわけがありません。
20代「専門性」、30代「経験」で「技術資産」を伸ばし
40代「人的資産(人脈)」で「人的資産」を確保する
最後に残った「業界の生産性」ですが、これはポジショニングで決まると言います。
どういうことかというと、これから伸びる業界で働けってことです。
同じスキルでも生産性の高い業界に入れば、高い給料が手に入るからです。
確かに同じSEでも、出版業界のSEと医療業界のSEとではお給料が違います。
医療業界の方がお給料がいい!スキルは同じなのに!
私は30歳過ぎてからSEに転職しました。
それまでの働きが無駄になることはないんだろうけど、なんとなく働いていただけなので、単純に考えると10年ズレてます。
30代で「専門性」を身に付け、40代で「経験」を積み、50代で「人的資本」を確保する。
人生100年計画と言われる昨今なら遅くはない・・・かも?(汗)
まとめ
意識の向きが上司から市場価値にスライドするだけで、働き方が随分変わってくると思います。
同時にどこか心が軽くなりませんか?
私は、上司の顔色を伺う働き方は息苦しいです。
実はSEになってからも、一度転職しています。
前の会社で異動になり、上司が変わったら仕事がデキナイ人間と低評価されました。ヒドイ
でも今の会社ではものすごく評価され、多くの仕事を任されています。
同じ私という人間なのに、環境によってこうも評価が違うものかと実感しています。
「いつでも転職できる」交渉カードを持つ人間は、スキルのある人限定ではありません。
スキルのある人だって転職には不安を抱くし失敗することもあるでしょう。
必要なのは単なるうわべの「転職情報」ではなく、情報を見極める「思考の軸」です。
もう目から鱗でした。
紹介したのはほんの一部です。全部言ってしまいたいくらい。
- 自分のマーケットバリューを測るための9つの質問
- 仕事のライフサイクル
- これから伸びるマーケットの見つけ方
- 会社選びの3つの基準
- 自分が活躍する可能性を確かめる3つの質問
- 転職エージェントの使い方
- 新卒で入るべき会社と中途で入るべき会社の違いとは
などなど、ハッとさせられる内容がてんこ盛り。
ストーリー形式だからか、ちょいちょい目頭が熱くなるシーンもありました。
職場で活躍し、充実した毎日を送るためのヒントが書いてある『転職の思考法』
ぜひ読んでみてくださ~い!